オーソン・ウェルズ（出演、監督、製作）,ジョセフ・コットン,ドロシー・カミンゴア,バーナード・ハーマン（音楽）販売会社/発売会社：（株）アイ・ヴィー・シー(（株）アイ・ヴィー・シー)発売年月日：2010/03/25JAN：4933672237756ラジオ放送「火星人襲来」で前代未聞のパニックをひき起こし、神童の名をほしいままにしてハリウッドに招かれ、映画という巨大な「おもちゃの機関車」を自由上峰に操縦しながらたわむれる25歳のオーソン・ウェルズ監督・主演の伝説的処女作。
奥行きの深い構図をつくるパンフォーカス技法、キャメラの長回しによるワンシーン＝ワンカット演出、主人公が歴史上の実在の人物といっしょにニュース映画に出てくるという「リアルな」画面作り、そしてとくに、ストーリーの時間的配列を解体し、縦横無尽にさまざまな視点からの回想を織り交ぜて、主人公の生涯と人物像を浮き上がらせるという複雑な回想形式は、いま見ても大胆で緻密な構成であり、「絶対的な時間の概念を否定し去ったのは、科学ではアインシュタイン、文学ではプルーストとジョイス、映画ではウェルズ」といわれるほどの映画話法の変革として知られる。
世界映画史上のベスト・ワンとしての評価を高く、戦後の世界の映画に最も影響を与えたことでも知られる名作である。